以前紹介した「株式のコストダウンのツナギ」について、もう少し掘り下げて、実際の計算例まで交えてまとめてみます。
「底と思っていても売る理由」
林輝太郎氏の『ツナギ売買の実践』(P118〜)によれば、株式のコストダウンのツナギは、手持ち株の10%〜200%の売り建てを行うというもの。常に最低10%は売りツナいでおくのが基本です。
上流転職訴求底値圏だと思っているときでも、1万株を買いで持っていれば1000株は売っている計算になる。「底なのに売るの?」と思うかもしれませんが、株を持っている限り下落リスクは常につきまといます。最低限の信用売りを組み込んでおくことで、実際の値動きに対する感覚を研ぎ澄ましておく——そういう役目があるのです。
デジタルのデータをいくら眺めていても、感覚は鋭くなりません。
例えばですが大谷選手の剛速球を映像で100時間見るより、実際に打席に立って間近でその速さを感じる方が、よほど実感がわくのと同じことです。
ツナギ専門家の「型」
明確な型というものはありませんが、強いていえば下記のような段階になります。
- 天井:200%
- 上げの8分目:150%
- 上げの半分:100%(基準)
- 半分までの8分目:50%
- 底:10%
基準になるのは、上げ予測の値幅のちょうど半分のところ。ここで持ち株と同数(100%)を売り建てるのが基準で、【100-100】と表します。
実際に計算してみた
言葉だけだとイメージしづらいので、A株を例に数字で見てみます。
ポジション
- 買い:平均500円 10,000株
- 信用売り:500円 1,000株(10-100)/ 550円 3,000株(30-100)/ 600円 5,000株(90-100)/ 650円 3,000株(120-100)/ 700円 5,000株(170-100)
- 現在値:600円
①買いポジションの含み益:(600-500)×10,000=100万円
②信用売りポジションの損益
- 500円売り:-10万円
- 550円売り:-15万円
- 600円売り:0円
- 650円売り:+15万円
- 700円売り:+50万円
買いと売りを合わせたトータルの含み損益は140万円(手数料・税金等除く)。
ここで注目したいのは、もし現在値が400円まで下がった場合です。
- 買いポジション:-100万円
- 売りポジション合計:+380万円
- トータル:280万円
株価が下がっても、あらかじめ組んでおいたツナギの売り建てが利益を生み、トータルでは含み益が”増える”という結果になります。これがコストダウンのツナギの真骨頂と言えそうです。
数字にしてみると、感覚だけでは見えなかった部分がクリアになり実感わきます。
こんなに理想とまではいかないかもしれませんが、実践で頑張りたいです。
